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3-7 低線量被害は疫学調査でしかわからない

アーチャー博士が全米の自然バックグラウンド放射線の分布図、各種死亡率(先天性形成異常による新生児死亡率、白血病による死亡率、胃がんに・乳がん死亡率)の分布図を示した上で、放射線粒子の影響を見逃してきたと結論付けています。


アーチャー:バックグラウンド放射線の低線量問題への答は、疫学調査でしかわかりません。このアプローチは実行可能です。なぜなら、この世界に生きるわたしたちの自然の状態では、バックグラウンド放射線は場所によって異なるからです。この違いから、その影響を示すことができます。遺伝子的影響やがんの症例などですが、それによってこのアプローチ[疫学調査]がベストだとわかります。過去においてこのアプローチの問題は、バックグラウンド放射線をきちんと測ってこなかったことで、その結果、適切なグループとの対照ができなかったのです。

 スライドをお見せしたいと思います。これは新しいアプローチで、バックグラウンド放射線レベルにおける現実の情報をもたらしてくれるものです。

(中略)

 次の図(スライド2)はウェズリー博士の1960年の報告[J.P. Wesley, “Background Radiation as the Cause of Fatal Congenital Malformation” 「先天性形成異常による死の原因となっているバックグラウンド放射線」, Intern. J. Radiation Biol.l Vol.2: 1960 Jan.: 97-118.]に基づいたアメリカ全州の先天性形成異常による新生児死亡率です。ご覧のように、北東部で最高値で、南部で最低値を示しています。

スライド2 先天性形成異常による新生児死亡率/1000出生(J.P. ウェズリー、1960) [1]
スライド2
先天性形成異常による新生児死亡率/1000出生(J.P. ウェズリー、1960)

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次のスライド(スライド3)は白血病による死亡率です。全く同じとは言えませんが、似たような地理的分布を示しています。

スライド3 白血病による死亡率/100,000人 [2]
スライド3
白血病による死亡率/100,000人

次は胃がんによる死亡率の分布図(スライド4)です。同じく似たような地理的分布を示しています。

スライド4 胃がんによる死亡率/100,000人 [3]
スライド4
胃がんによる死亡率/100,000人

 次の乳がん死亡の分布(スライド5)ですが、胃がん、白血病と同じような分布を示しています。特に東海岸の分布は似ています。西の州の分布はちょっと違いますが、これは西部の開拓が遅かったこと、ここで今死んでいる人たちは東部で育ったことが原因と思われます。東部の地磁気(そして宇宙放射線)のレベルは他よりも高いのです。

スライド5 乳がん死亡率/100,000人 [4]
スライド5 乳がん死亡率/100,000人

スライドはこれで全部ですが、私が指摘したいことは、過去の研究で測定されたバックグラウンド放射線は主にガンマ放射線です。これは国によって大きく異なるわけではありません。実のところ、ガンマ放射線の最高値はコロラドで、ここの先天性異常やがん死は最高率ではありません。このバックグラウンド放射線の測定で私たちが見逃していたことは粒子だと思います。初期の研究以後に発見されたのは、宇宙放射線の中に多くの微粒子が存在するということです。この粒子が宇宙放射線の構成成分であり、それが地球磁場に影響されているのです。この粒子の中には、ガンマ線と同じく染色体損傷を起こすほどの10から100倍以上の影響力を持ってい
るものがあります。