スターングラス博士は、動物実験結果と人間のがん死亡率統計結果には、低線量による影響が同様に見られること、それは直線的に増加しているのではなく、最小の線量域で急激に上昇していることを図で示しています。
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4-2 ペトカウ博士の新発見:低線量で細胞膜が破壊され、免疫システムに影響
ペトカウ博士の最新の研究(1972)によると、低線量で細胞膜が破壊され、免疫システムにも影響することがわかってきました。これは線量が高くなるにつれて影響も大きくなるという直線仮説と逆の結果です。
4-1 線量反応関係、直線仮説か非直線仮説か?
議長のモーガン博士が直線仮説では最近の研究結果を説明できないと、いくつかの研究結果をもとに述べています。最近(1970年代)の研究結果は、低線量をゆっくり長期間被曝すると、がんのリスクが高まることを示していますが、3.11後の日本の専門家は真逆のメッセージを発信している例を最後にご紹介します。
訳者解説:2013年に疫学調査の分析で、低線量でも有害と判明
アーチャー博士が1976年に強調した「バックグラウンド放射線の低線量問題への答は疫学調査でしかわからない」という主張が、2013年に証明されました。
3-7 低線量被害は疫学調査でしかわからない
アーチャー博士が全米の自然バックグラウンド放射線の分布図、各種死亡率(先天性形成異常による新生児死亡率、白血病による死亡率、胃がんに・乳がん死亡率)の分布図を示した上で、放射線粒子の影響を見逃してきたと結論付けています。
3-6 低線量危険派vs無害派 論争 3:[訳者解説]
BEIRレポートがこの調査研究結果を無視したと聞いて、BEIRレポートの諮問委員会委員だったヴィクター・ボンド博士が発言します。
3-5 低線量危険派vs無害派 論争 2:[訳者解説]
リスク評価の前提となっていたのが広島・長崎の原爆線量データでしたが、この会議の1年前にそのデータが間違っていたとわかり、アメリカの核兵器部門の「権威と体制をはじめ、NCRP、ICRPなどの勧告・報告やその体制がすべて大きく揺らぐことになる」ため、解決策として、研究者間の私信という形で広めることにしたそうです。「原爆線量が見直され、放射線リスク評価も再検討を迫られそうだという情報は、密かに、しかし瞬く間に関係者の間に広がった」ということです。その手紙が放射線影響研究者などにばらまかれたのは、この会議の1ヶ月前でした。ですから、ABCCの重要メンバーだったジャブロン氏も知っていたと思われますが、バーテル博士たちが知っていたかは定かではありません。
3-4 放射性降下物と心臓病の相関関係
低線量被ばくの危険性を訴える科学者たちは、様々なデータを見せながら証明しています。スターングラス博士は1945年から75年までの動脈硬化性心疾患死亡率の推移と、アメリカ・ソ連・フランス・イギリス・中国の核実験の時期との相関関係を図にして示しています。
3-3 放射性降下物と心臓病の相関関係:[訳者解説]
アーネスト・スターングラス博士(Ernest Sternglass: 1923-)、ヴィクター・アーチャー博士(Victor Archer)の紹介:訳者解説
3-2 低線量危険派vs無害派 論争 1:[訳者解説]
次に反論がセイモア・ジャブロン氏から出されました。1976年当時、ジャブロン氏は米国学術研究会議(National Research council)の副会長で、バーテル博士との応酬が続きます。議事録では、他のパネリストはDrと呼ばれていますが、ジャブロン氏はMrと呼ばれています。ジャブロン氏の意見は、それまでの3人の意見と真っ向から対立しています。