1976年議会セミナー

12-2:補遺(2)

補遺の最後の2人からの提言は対照的です。バーテル博士の提言は3.11以後の私たちにぴったり当てはまる提言です。最後のコーエン博士の手紙は原子力推進専門家集団がICRP, UNSCEARだということなど、1970年代から変わっていないことを悟らせてくれます。

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12-1:補遺(1)

議会セミナー議事録の最後に補遺として、4人の文書が掲載されています。最初の2人、アーチャー博士とマーテル博士の文書を紹介します。二人とも放射線の危険性を訴えていますが、アーチャー博士が当時アメリカ労働安全衛生研究所の医学部長という立場からか、歯切れが悪い証言です。

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11:議会聴聞会への勧告:立法その他の法的措置

各パネリストが議会への提言をします。国立がん研究センターのブロス博士の提言は、原子力テクノロジーで殺人を行う科学者、企業人、規制当局の担当者を刑事犯にすべきで、そうすれば健康にいい効果をもたらすと言います。スターングラス教授は放射線分野の研究者はポストや研究費を失う恐怖から、まともな研究ができないし、まともな研究をする人は研究結果の出版や公開を妨げられ、諜報機関の秘密主義のようだから、議会が真相を調査すべきだと提言します。

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10-3:放射線基準のコスト・ベネフィット理論(3)

放射能放出量削減のコストは電気料金に含まれ、電力会社は一銭たりともコストを払わないこと、ベネフィット(便益)は事業者と株主にあるという批判が市民から出されます。真のコストは健康コストなのに、原子力規制委員会は規制する意思すらないという批判に、規制委員会の担当者が反論します。

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10-2:放射線基準のコスト・ベネフィット理論(2)

原子力委員会のコスト・ベネフィット論に対し、フロアから反論が出ます。食品添加物や農薬については規制が厳しいのに、「放射性毒物」の被ばく基準はゆるいと1人が言い、小児科医は未熟児の命を救う時にコスト便益など考慮しないのに、放射性毒物のコスト・ベネフィット論は「健康にお金を使いたくない」政治家の議論だと反論します。

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10-1:放射線基準のコスト・ベネフィット理論(1)

福島第一原子力発電所事故による放射能被害のディスカッションの中で、原子力産業推進派が強調している、被ばくに関わるコストとベネフィット(便益)論の原点のような議論が1976年アメリカ議会セミナーで行われました。ここではアメリカ原子力委員会がどんなコスト・ベネフィット論を採用しているか説明されています。

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9-2 現行基準値で被ばくする市民と作業員の健康被害(2)

アメリカ環境保護庁の官僚が、放射線従事者の被害と農業従事者の被害と比べたら、リスクは同じだと、いい加減な論を述べます。バーテル博士は詳細な数字を示して、問題のすり替えは「ずるい」と指摘し、環境保護庁の担当者が謝罪します。また、100万人に数人のリスクという抽象的な数字ゲームに対し、病気になった当人にとっては現実問題なのだという人間の命重視の指摘もされます。

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9-1-3アーネスト・スターングラス博士の訃報

1976年アメリカ議会セミナーで放射線被ばくの影響を訴えたスターングラス博士が2015年に亡くなりました。放射線物理学の研究から、放射線被ばくの深刻さに気づき、後半生は核兵器反対活動や子どもの被ばく影響の研究に費やした良心的科学者でした。『ニューヨークタイムズ』に長い訃報記事が掲載されたので、翻訳紹介します。

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9-1-2 低線量放射線の被害を初めて証明した二人の科学者

妊娠中のレントゲンで胎内被ばくした子どもが小児白血病にかかることを1955年に発見したイギリス人アリス・スチュアートと、米ハンフォード核施設の作業員に低線量放射線によるがん死が増加していることを調査したトーマス・マンキューソが1977年に共同で出した論文によって、二人はイギリス・アメリカ政府と原子力ムラに迫害されます。60年後の現在、妊婦へのレントゲンについて、イギリス・アメリカ・日本はどう対応しているでしょうか。

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9-1-1 低線量被ばくに関する1970年代の見解

1976年アメリカ議会の低線量被ばく問題セミナーで、現行の放射線被の基準で被ばくする場合の健康被害について、BEIR(イオン化放射線の生体影響に関する諮問委員会)レポートの分析が引用されています。BEIR委員会の見解とは何だったのか、2010年代の日本と比べてどうなのかを考える上で、わかりやすい解説を紹介します。

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