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14 (1):関東地方の甲状腺がん罹患数

チェルノブイリの健康被害を報告した2016年版ロシア政府報告書では、放射性ヨウ素に被ばくしていない最近の子どもたちに甲状腺がんが増加しているので、セシウムの汚染地帯に住み続けることが原因だとされています。そこで、放射性ヨウ素とセシウムの降下量がわかっている関東地方の中で、降下量の多い栃木県について調べてみました。

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13 (7) 甲状腺がん増加を心配し検査の継続を日本政府に訴えた国際学会

2016年3月時点で福島の子どもたちの間に172人も甲状腺がんがみつかっています。国際環境疫学会は甲状腺がんの増加に懸念を表明し、がんの早期発見・早期治療のために検査が必要で継続すべきだと、日本政府・環境省に書簡で訴えました。その回答でしょうか、福島県立医大は甲状腺がん検査に来なくてもいいというキャンペーンを始め、「県民健康調査検討委員会」は検査対象者の縮小を計画しています。

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13 (6):除草剤に含まれる化学物質と遺伝子組換え作物が発がん性という論文をめぐっ...

日本でも販売されているモンサント社の除草剤ラウンドアップとその耐性遺伝子組換えトウモロコシがラットの実験で腫瘍を起こすという論文をめぐって2013年に世界的な論争が起きました。2016年には欧米の各国政府が危険性を認め、人体に危険な物質を含む除草剤を禁止する方向ですが、日本は禁止しないようです。

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13 (5):発がん性化学物質と放射性物質の複合汚染(PBDEs, BPA, PHA...

「世界的に増加している甲状腺がん」で放射線被ばくと複合的に健康被害を及ぼす化学物質の名前が列挙されているので、それらがどんな製品に含まれ、どんな被害をもたらしているのかを調べてみました。ラップの成分ビスフェノールAは欧米では危険物質として警告されているのに、日本ではコンビニでも家庭でも危険な使われ方が続いています。

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13 (4):発がん性化学物質と放射性物質による複合汚染

「世界的に増加している甲状腺がん」という論文で指摘された増加の原因は医療被ばくと化学物質でした。チェルノブイリで問題となった硝酸塩は化学肥料に含まれ、それが飲用水や野菜に移行して、放射線被ばくした場合に被ばく被害を悪化させることがわかっています。福島第一原発事故後の日本ではどうでしょうか?

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13 (3):世界的に増加している甲状腺がんとその原因

2013年に発表された論文によると、甲状腺がんが世界的に増加していて、主な原因は医療被ばくと化学物質の吸入/摂取だろうと結論付けています。甲状腺がんの増加はスクリーニングによる過剰診断のせいだと主張する論に対して、ていねいに否定の根拠をあげています。

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13 (2) :がんの増加と原因について

がん罹患率の算出方法の難しさをWHOの機関「国際がん研究機関」が解説していますので、日本の国立がん研究センターの統計と比較します。欧米の最近の肺がん研究の結果、非喫煙者の女性の肺がん率が2倍になり、喫煙以外の原因があること、過剰診断の結果ではなく、末期がんで見つかる率が増えていると報告されました。

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プロメテウスの罠 チョウを追う 1

オリジナル記事のページが失われたため、同内容を下記に記録しておきます。

(プロメテウスの罠)
チョウを追う:1 批判から始まった
朝日新聞 2015年7月9日
 ◇No.1327
 1センチほどの羽をたたむと柔らかなグレーに黒の斑点が浮かぶ。
 ヤマトシジミ。北海道を除く各地に広く生息する小さなチョウだ。
 2012年8月10日、堀川大樹(ほりかわだいき)(37)は、そのヤマトシジミに関してネットに流れた通信社のニュースに目を留めた。
 「東京電力福島第一原発事故の影響により、ヤマトシジミの羽や目に異常が生じているとの報告を、琉球大の研究チームがまとめ、英科学誌に発表した……」
 堀川は疑問に感じた。
 「昆虫は通常、放射線にめっぽう強い」
 堀川は慶応大湘南藤沢キャンパス研究所の上席所員。
 顕微鏡でやっとわかるほど小さい生物クマムシを研究している。放射線を照射したこともある。クマムシは昆虫ではないし、単純に比較できないが、けげんに思った。
 オンラインで英国の科学誌を検索。8月9日付の「サイエンティフィック・リポーツ」に載った琉球大チームの報告を読んだ。
 それによると原発事故後の11年5月と9月、福島や茨城、宮城、東京など10地域でヤマトシジミを採集。福島原発に近いほど、羽の模様や触角などの形に変化があったとある。
 持ち帰って飼育し、放射能で汚染されたエサの雑草を幼虫に与えたり、放射線を照射させたりして被曝(ひばく)させても同じように変化が出たという。
 信じられなかった。ネットにはほかにも疑問視する声が流れていた。
 堀川はそれらを紹介したうえで、自分のブログ「むしブロ~クマムシ博士のドライ日記」に、「ヤマトシジミの奇形は原発の影響によるものなのか」と指摘した。
 「北方に棲(す)むヤマトシジミには奇形が多いことが分かっていた」
 「エサのカタバミの特定の構成成分量が異なり、栄養状態に影響を及ぼしたことも考えられる」
 「多くの問題点や不明瞭な部分が見られる。この論文での結果や主張を鵜呑(うの)みにしない方が良いだろう」
 この「むしブロ」へのアクセスは1週間で約3万件を数えた。
 ヤマトシジミの研究報告は批判を浴びるところから始まった。(中山由美)
     ◇
 原発事故後、沖縄から福島に飛ぶことを思い立ち、手探りでヤマトシジミを追い続けてきた人や、取りまく人たちの姿を追います。
     *
 【プロメテウス】人類に火を与えたギリシャ神話の神族

13 (1):廃炉作業:30年後のチェルノブイリと5年後の福島の違い

東京電力は海外メディアには600トンのメルトダウンした燃料デブリがあること、それがどこにあるかわからないし、取り出す技術もないと言って、環境中に高濃度の放射性物資を放出するままの状態が続いています。チェルノブイリでは環境中への放出を避けるために新シェルターを建設し、30年後の今も避難・移住プログラムを継続させています。

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