調査委員会で数人の証言者がいましたが、最初の証言者はスターングラス博士でした。目下日本で盛んに言われている「100ミリシーベルト以下はだいじょうぶ」という主張と正反対の結果が実験でも統計でも出ているため、広島・長崎の被ばく研究をもとにした考え方は改めるべきと訴えました。
記事
6-14-2 訳者解説:ペンシルベニア州知事が放射線被害事実調査委員会を設置
スターングラス博士は原発による健康被害の調査報告をペンシルベニア州知事に送り、知事が調査委員会を設置することになました。このニュースが他の都市に広まって、市民団体がスターングラス博士を招いて公開講演会を開き、原発推進派との間で論争がおきます。
6-14-1 訳者解説:原発の通常運転による放射能放出量と乳児死亡率の相関関係
6—11で、スターングラス博士が言及した公聴会とその背景(通常運転の原発から放出される線量と周辺地域の死亡率の関係)について、現在の私たちに参考になるので紹介します。
6-12 原発通常運転の放射線モニタリング、医療被ばくのモニタリングは何のため?
モニタリングは適切に行われていると主張する原子力規制委員会に対し、マンモグラフィーで受ける被曝量は驚異的な高線量という指摘、このセミナー開催前に、GEのエンジニア3人が原発の危険性をアメリカ議会で証言したことが指摘されます。
6-11 放射性物質のモニタリングは不適切で、健康被害が生じる
モニタリングの適切性について、各部署の担当者は適切に行われていると主張しました。しかし、スターングラス博士は電力会社が放射性物質の放出はゼロだと報告している時に、魚やミルクから大量のストロンチウム90が検出されたことを指摘しました。そして、モニタリングが適正になされなければ、深刻な健康被害が生じると警告しています。
6-10 市民との質疑応答(3)
市民からの質問は鋭く、放射性廃棄物の輸送中のモニタリングはしているのか、責任者は誰かを追及し、その結果、輸送中のモニタリングがされていないこと、責任の所在が不明なことがわかります。また、このセミナーのパネリスト[オークリッジ国立研究所生体医学環境部副部長]が伝える内容は、事実をねじまげていると証拠を示して批判しています。
6-9 市民との質疑応答(2)
市民の追及は、原発事故の際にどの程度の放射性物質が出されたのか市民は知らされないこと、放出された放射能が動植物によって濃縮され、人間の体内に入る経路が数千もあるのに放射線の規制や食品規制に考慮されないこと、フィルムバッジのデタラメさなどに及びます。
6-8 市民との質疑応答(1)
市民が次々と核心をついた質問を浴びせ、政府機関の専門家たちが必死に弁明する様子が伝わってきます。放射能の影響について、なぜ専門家もメディアも黙っているのか、調査をしてほしい、放射線基準をなぜ既成事実として認める必要があるのか、放射線が危険だとわかっているなら原発なしに生きる決断をすべきではないか、原子力規制機関は放射線リスクを過小評価している等々です。
6-7 プルトニウムはマラリアや天然痘より危険
プルトニウムを扱う作業員が吸入する危険性について、プルトニウムを積んだトラックが国内を行き交う際の危険性など、カルディコット博士が訴えます。マラリアや天然痘より遥かに危険だから、原発や増殖炉を止めるように政府に要望し、市民が拍手して賛同を示します。