チェルノブイリの健康被害を報告した2016年版ロシア政府報告書では、放射性ヨウ素に被ばくしていない最近の子どもたちに甲状腺がんが増加しているので、セシウムの汚染地帯に住み続けることが原因だとされています。そこで、放射性ヨウ素とセシウムの降下量がわかっている関東地方の中で、降下量の多い栃木県について調べてみました。
最新記事
13 (8) LNT(しきい値なし直線)はメンタル・ヘルス問題を起こす?
2016年5月に発表された山下俊一氏の論文では、「LNTモデルは放射線恐怖症をもたらし、深刻なメンタル・ヘルス問題」と断定されています。世界の多くの人が精神病者だと言わんばかりですが、このLNTモデル否定論はアメリカの運動と連動しているようです。
13 (7) 甲状腺がん増加を心配し検査の継続を日本政府に訴えた国際学会
2016年3月時点で福島の子どもたちの間に172人も甲状腺がんがみつかっています。国際環境疫学会は甲状腺がんの増加に懸念を表明し、がんの早期発見・早期治療のために検査が必要で継続すべきだと、日本政府・環境省に書簡で訴えました。その回答でしょうか、福島県立医大は甲状腺がん検査に来なくてもいいというキャンペーンを始め、「県民健康調査検討委員会」は検査対象者の縮小を計画しています。
13 (6):除草剤に含まれる化学物質と遺伝子組換え作物が発がん性という論文をめぐっ...
日本でも販売されているモンサント社の除草剤ラウンドアップとその耐性遺伝子組換えトウモロコシがラットの実験で腫瘍を起こすという論文をめぐって2013年に世界的な論争が起きました。2016年には欧米の各国政府が危険性を認め、人体に危険な物質を含む除草剤を禁止する方向ですが、日本は禁止しないようです。
13 (5):発がん性化学物質と放射性物質の複合汚染(PBDEs, BPA, PHA...
「世界的に増加している甲状腺がん」で放射線被ばくと複合的に健康被害を及ぼす化学物質の名前が列挙されているので、それらがどんな製品に含まれ、どんな被害をもたらしているのかを調べてみました。ラップの成分ビスフェノールAは欧米では危険物質として警告されているのに、日本ではコンビニでも家庭でも危険な使われ方が続いています。
13 (4):発がん性化学物質と放射性物質による複合汚染
「世界的に増加している甲状腺がん」という論文で指摘された増加の原因は医療被ばくと化学物質でした。チェルノブイリで問題となった硝酸塩は化学肥料に含まれ、それが飲用水や野菜に移行して、放射線被ばくした場合に被ばく被害を悪化させることがわかっています。福島第一原発事故後の日本ではどうでしょうか?
13 (3):世界的に増加している甲状腺がんとその原因
2013年に発表された論文によると、甲状腺がんが世界的に増加していて、主な原因は医療被ばくと化学物質の吸入/摂取だろうと結論付けています。甲状腺がんの増加はスクリーニングによる過剰診断のせいだと主張する論に対して、ていねいに否定の根拠をあげています。
13 (2) :がんの増加と原因について
がん罹患率の算出方法の難しさをWHOの機関「国際がん研究機関」が解説していますので、日本の国立がん研究センターの統計と比較します。欧米の最近の肺がん研究の結果、非喫煙者の女性の肺がん率が2倍になり、喫煙以外の原因があること、過剰診断の結果ではなく、末期がんで見つかる率が増えていると報告されました。
13 (1):廃炉作業:30年後のチェルノブイリと5年後の福島の違い
東京電力は海外メディアには600トンのメルトダウンした燃料デブリがあること、それがどこにあるかわからないし、取り出す技術もないと言って、環境中に高濃度の放射性物資を放出するままの状態が続いています。チェルノブイリでは環境中への放出を避けるために新シェルターを建設し、30年後の今も避難・移住プログラムを継続させています。
12-2:補遺(2)
補遺の最後の2人からの提言は対照的です。バーテル博士の提言は3.11以後の私たちにぴったり当てはまる提言です。最後のコーエン博士の手紙は原子力推進専門家集団がICRP, UNSCEARだということなど、1970年代から変わっていないことを悟らせてくれます。